本会整備の庭園

旧円融寺庭園の紹介

今回は本会が世に出した古庭園の内、その最も早い実例である長崎県大村市「旧円融寺庭園」を紹介します。本庭は1 9 6 9 年3 月本会の調査によって、江戸初期名園であることが判明しましたが、それまでは全体がツツジに覆われ庭園造形は不明の状態でした。1 9 7 6 年に国の名勝に指定されたことにより、1 9 7 9 年1 0 月2 3 日~ 3 1 日、吉河会長の指導によって「旧円融寺庭園保存修理事業」が行われ、名園が姿を現しました。
小高い丘上にあり、徳川家代々の位牌を安置するために建立された「円融寺」の後庭として築造された歴史があります。
幅5 0 m にも及ぶ山畔に青石を主体とした4 0 0 石近い石を組み込んだ築山式枯山水庭園です。全国的にも希な造形を持つ庭園として、庭園史上貴重な存在となっております。
なお一部の書籍に本庭を「江戸末期作庭」としているものがあるようです。
誤説にご注意下さい。本年の『庭研』4 1 6 号に吉河会長の詳しい記載があります。参照をお勧めします。

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旧円融寺庭園中央部の美景

 


妙経寺庭園整備報告

   大分県杵築市にある妙経寺庭園は、庫裡書院の北側にある約188坪の築山式枯山水庭園であり、江戸中期に作られた名園です。築山石組、枯滝石組、切石橋、 陰陽石、岩島等の造形はまことにユニークなもので、それに露地の要素も取り入れ、枯池に雪見燈籠を配して景をとるなど、優れた景観が見られます。特筆すべ きことは、切石橋にある銘文によって、施主、作庭年月、作者のすべてが明らかになっていることで、このような庭園は日本庭園中でも珍しく、歴史的にも貴重な史料となっております。本庭は2001年に本会による整備が完了し、2003年2月には『妙経寺庭園整備調査報告書』が発行され、3月には早くも大分県指定名勝になりました。

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妙経寺庭園中央部を望む(書院からの眺め)

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妙経寺庭園枯池の景観


靖國神社庭園整備報告

   靖國神社(東京都千代田区九段)の本殿西北部にある日本庭園は明治時代に作られた名園です。長らく荒廃していましたが、1999年に本会技術部会の手で 整備が行われ、粘土による古式工法等を用いて池を修理しました。その結果都内でも最も見事な庭園として蘇ったものです。特に当初のままの造形を見せる滝石組の豪華さは特筆されます。また花崗岩の切石橋は6.27mもあり直橋としては日本最大のものです。

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靖國神社庭園池泉中央部

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靖國神社滝石組


海蔵寺庭園整備報告

  広島市西区田方にある海蔵寺は、室町時代に創立された曹洞宗寺院ですが、江戸初期に現在の地に移されました。その時、建物と同時に作庭されたのが本庭です。当地の石材である平天の花崗岩を多用した興味深い石組が保存されており、原爆の被害をまぬがれた古庭園としてまことに貴重なものです。本会が1998年に整備調査を行い、その報告書も発行されています。またこの報告書によって、正しい寺史が解明されました。

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海蔵寺庭園全景

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書院から望む

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海蔵寺庭園滝付近詳細



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