中國園林情報

「西溪環翠(せいけいかんすい)」の流觴曲水

蘇州城外の名所旧跡と言えば、まず第一に上げられるのが“ 江南第一塔” と称せられる「虎丘斜塔」のある虎丘山一帯であろう。塔を中心として数々の見所があり、一山をくまなく見学するには、どうしても半日は必要になる。
その中心にある斜塔は、正しくは「雲巌寺塔」と称し、禅寺に建立された八角七重磚塔で唐代末期建立の古塔である。この虎丘山西側に、近年蘇州市園林緑化管理局によって作庭されたのが今回紹介する「西溪環翠」である。
ここには珍しくも「流觴曲水」の流れが復元された。「流觴」の「觴( しょう) 」とは盃のことで、日本でも古く行われた盃流しの宴「曲水宴」の意味である。時々宴の体験も出来るらしく、流れの岸辺にクッションを置いて座し、盃が流れてくるまでに一編の詩を作るのである。ここからは虎丘塔も遠望されるので、蘇州訪問の際は是非この園にも足を延ばして頂くことをお勧めしたい。

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「西溪環翠」曲水の上流。赤いクッションに座す

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「西溪環翠」建物の彼方に虎丘塔を望む

[ 2020年9月4日 ]

修復公開された「柴園」

蘇州城内南部醋庫巷 44にある園林。浙江の人柴安圃の邸に清代末期光緒年間に完成した園である。その後荒廃し蘇州市盲聾学校の敷地になっていた。吉河会長が 2002年に蘇州で出版した『蘇州園林写真集』には、その当時の様子が載せられている。近年になって蘇州市人民政府が学校を他に移して修復改造を加え、2016年 12月に完工した。推定復元の部分もあるが、蘇州伝統の技法が存分に駆使されているので見所も多い。建物群の全体は「蘇州市教育博物館」とされ、本園は当博物館の園という位置付けになっている。園の主要部は西側で、見事な「旱船(かんせん)」を中心とした園景が好ましい。

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立派な「旱船」( 舟形の亭) の景

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「旱船」前、東部池泉

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左から太湖石・樹木・空窓

[ 2020年3月27日 ]

「北半園」の造形特色

蘇州城内の東北部、白塔東路 82号北側に位置する小園林。現在はホテルの園になっているが、拝観は可能である。正式名称は「半園」だが、蘇州には南部にもう一つ同名の「半園」があるので、それと区別するため、こちらを「北半園」南は「南半園」という。清代末期の園で、陸解眉という人がここを入手し、現在のように改築したものである。すべてが半分という意味を込めて作庭されたもので、これは「知足〔足ることを知る〕」の精神を示している。
園景にもすべてに「半」の文字があって「半亭」「半舫」「半廊」「半橋」等とされている。本園には東北部に「蔵書楼」があり、二層の上に、さらに低い三層目を造り、これを二層半としているのが珍しい。またこの楼の初層と二層の間にある左右に長い磚彫刻は、優れた意匠としてよく知られている。

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「蔵書楼」の磚彫刻( 部分)

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左「半廊」とその右奥「半舫」

[ 2020年3月27日 ]

蘇州「可園」西部「正誼書院」が公開される。

修復工事中でありました「正誼書院」は2018 年秋に竣工し公開されました。ここは蘇州でも最も名高い清代後期の書院(学問所)で、数々の秀才を輩出したことで有名です。その「前庁」東側にある解説板の一部は、吉河会長が校正を加えたものです。

正誼書院北園

正誼書院后庁

正誼書院前庁東部解説板

[ 2019年10月16日 ]

蘇州文廟の国宝石碑「平江図」等、写真撮影許可となる

 蘇州文廟内に展示されている4点の国宝石碑は、長らく写真撮影が禁じられておりましたが、本年(2016年)からすべて撮影が許可されるようになりました。そのメインは南宋時代の蘇州を詳細に記録した『平江図』ですが、近くによって詳しく見ることも可能です。蘇州や蘇州園林の研究にとって非常に有意義なことであり、蘇州当局の理解ある対応に感謝したいと思います。

 日本では国宝級の展示物は、その大部分が撮影禁止とされている事からしても、まさに画期的な英断と言えるでしょう。         

 下・国宝の四碑 ・最も高いのが「平江図」碑

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[ 2019年10月15日 ]


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